大学生の就職活動や企業の新卒採用は現在は売り手市場であると言われています。
企業(買い手)の求人数が増えたにも関わらず、
就活生(売り手)の数が変わらなかったり、減ったりする
といったことが売り手市場の原因になります。
そんな売り手市場という恵まれた環境で戦っている若者が就職活動において企業を選ぶ基準は以下のようになっています。
① 将来性がある
② 給与、待遇が良い
③ 福利厚生が充実している
以上より、知名度の低い会社や中小企業の人材確保の状況は厳しくなっているそうです。
それだけではなく、
給料が高い、福利厚生が充実している、安定している
と世間で言われている公務員も就活生からの人気は下がっています。
目次
大人から公務員が人気な理由
下記URLの記事でも紹介しましたが、
子供について欲しい職業では公務員が一番人気でした。
子供についてほしい職業第一位!結局は公務員が人気!ただ理想と現実は違う!
これは安定しているからというのが大きな理由のようです。
それについては誤解もあるように思えますが、自治体や国が破たんするまではリストラというものが基本的にはないという点では安定していると言えるのかもしれません。
確かにバブル崩壊により多くの企業が痛手を受けて倒産していくなかで、
公務員は職を失うことがありませんでした。
これを経験してきた方たちは公務員をうらやましく思うこともあるでしょう。
また、[保存版] 気になる公務員の給与、給料について!年収は高い?低い?
でも紹介したように公務員の給与は国民全体の平均と比較した場合高いことが多いためです。
これは学歴、役職、勤続年数などを考慮に入れて比較しているためなので、当然の結果ではあります。
しかし、若者からの人気は下がっているのが現状です。
なぜ、公務員は人気がなくなってしまったのでしょうか。
公務員志願者は激減している!
国家公務員一般職試験(大卒程度)を例にしたいと思います。
就職氷河期と言われた1995年では申込者数が8万211人でした。
しかし、2017年では3万5142人と半分以下の数になっています。
しかし、民間調査による学生を対象にした「就職したい企業・業種ランキング」では、
1位が「地方公務員」で2位が「国家公務員」
となっています。
公務員になりたいと思う学生が多い一方で、
公務員試験を受験しようと思う就活生は少ないのが現状です。
公務員志願者激減の理由
公務員志願者が激減している理由は2つ考えられます。
「公務員試験」と「仕事の大変さ」が原因であると考えられます。
公務員試験の対策の勉強をしたくない
公務員志願者は景気が悪くなると多くなる傾向にあります。
そのため、就職氷河期は志願者数も多くいました。
しかし現在は比較的景気も良く、民間企業の就活も売り手市場であることが志願者が少ない原因の一つです。
民間企業が比較的内定が取りやすい環境であるにも関わらず、
公務員試験の勉強を頑張りたくないという学生も多くいるというのが現状です。
「公務員ってなんとなく大変そう」と思っている就活生が増えた
インターネットが復旧して、スマートフォンを所持し慣れ親しんでいる若者は情報に強くなっています。
就活ではスマホは必需品であると言われているほどです。
そんな就活生は、
「公務員は責任のある仕事の割に給与が安く、長時間労働をしている」というイメージを持つ方が増えたということが原因のようです。
地方公務員の時間外労働の実態調査によると、
都道府県と主要市の常勤職員1人当たりの時間外労働は158.4時間。
国家公務員の残業時間233時間であるという結果がでました。
民間事業所の154時間よりどちらも長い時間残業をしているというニュースが出ています。
このようなマイナスのニュースが公務員になりたいという受験生が減少している原因なのではないかと思われます。
参考文献
[1] DISCO, “就職氷河期の学生と売り手市場の学生の比較, ”[Online]. Available:
http://www.disc.co.jp/uploads/2017/03/cc55fb82b98d15d2b2894c78de4aecbe.pdf
[2] PRESIDENT, “ゆとり世代の就活生が公務員を嫌う理由, ”[Online]. Available:
http://president.jp/articles/-/23067
[3] 日本経済新聞, “公務員、売り手市場でも高倍率 安定志向で人気根強く, ”[Online]. Available:
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20504340Z20C17A8TCN000/
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