東京都採用試験 Ⅰ類B[一般方式] 一次試験専門試験の傾向と対策











目次

東京都採用試験 Ⅰ類B[一般方式] 一次試験専門試験の概要

Ⅰ類B[一般方式]の専門試験は記述式になります。
従来は7題が出題され、そのうちの4題を解答しなくてはなりませんでした。
しかし、H26から出題数および解答数が減少し、
5題出題され、そのうちの3問を解答するものとなりました。
また、各大問には2~4つの小問が含まれる可能性もあります。

試験範囲は以下のようになっています。
参考文献[1]を引用

[試験範囲]
・数学
・電気磁気学
・電気回路
・電気機器
・電子回路
・発送配電
・計測・制御
・情報・通信
・電気応用
・電気法規
・技術情勢

[難易度について]
問題の難易度は優しいです。

傾向と対策

基本的には過去問で難易度を把握し、
「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」にて勉強すれば十分に高得点を狙えます。

私は数学、電気磁気学、電気回路、電気機器、電子回路を中心に解くようにしていました。

最近の傾向としましては、数学、電気回路、電気機器、電子回路、情報・通信が頻出なので、
上記の分野に絞って対策するだけでも問題ないかもしれません。

数学
「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」にはない分野なので、学校の教科書で勉強してください。
数学が苦手な方であれば勉強したほうがいいでしょう。
以前は数学が全く出題されない年が連続してあったようですが、ここ数年は毎年最初の大問で数学は出題されています。
小問の半分程度は高校生レベルの問題が出題されるため、ねらい目の科目です。
また、大学レベルの問題も出題されることはありますが、公式を覚えていれば解ける問題しか出題されないため、
数学が得意な方や大学できちんと勉強した方には物足りなく感じることでしょう。

対策しておくといい範囲は以下のようになっています。
・高校生レベルの微分・積分(極大値、極小値やグラフの概形など)
・微分方程式(一般解)
・線形代数学(行列式)
・フーリエ級数展開
・内積・外積
・無限等比級数の収束条件
・テーラー展開、マクローリン展開











電気磁気学
電気磁気学は大学の授業をきちんと受けていればわざわざ対策をする必要はありません。
公式がある程度覚えられていて、簡単な用語の説明ができれば満点が狙えます。
公式の暗記が不安という方もいるかと思いますが、
センター試験レベルの問題しか出題されない場合もあるので落ち着いて対策するといいでしょう。

大学院入試や大学の定期テストでは頻出である「マクスウェルの法則」も覚えておく必要はありますが、
場合分け等の作業は基本的には必要なく、
公式さえ覚えておけば解けるような問題しかでません。

対策しておくといい範囲は以下のようになっています。
・クーロンの法則
・ガウスの法則
・ポアソンの法則
・コンデンサ(並行平板、同心球など)
・磁界
・電磁誘導

電気回路
電気回路は過去に出ない年もありました。
東京都庁では必ず出題されるわけでもないようです。

三相交流回路が頻出だったため確認はしたほうがいいでしょう。
Y-Δ変換は最低でもできるようにしておくべきです。
ホイーストンブリッジ回路も頻出です。
平衡の場合は公式の暗記でいいですが、不平衡が出題される可能性もあるので、キルヒホッフに法則など確認しておくようにしましょう。

RLC交流回路も勉強したほうがいいでしょう。
電源電圧の角周波数を求められることはもちろん、抵抗値も求められる必要もあります。
電源電圧、各端子間電圧、電流のベクトル図もかけるようにしましょう。
また、交流電圧、電流の位相差からインダクタンス、キャパシタンスを求めるようなパターンもあります。
キャパシタに蓄えられたエネルギーの算出もできるようになっておくといいでしょう。

対策しておくといい範囲は以下のようになっています。
・直流回路(二電源回路、ブリッジ回路など)
・交流回路(RLC回路、LC回路など)
・過渡応答(Ⅰ類Bの場合は必要ないかもしれませんが一応は……。)

電気機器
電気機器は安定した出題率を誇っています。
対策をしておくと強みになるでしょう。

電動機や発電機の出題が多いです。
滑り等の公式を覚えるのみではなく、違いの説明をできるようになるとこわいものもなくなるはずです。

対策しておくといい範囲は以下のようになっています。
・三相同期発電機
・三相誘導電動機
・三相同期電動機
・永久磁石同期電動機
・直流電動機
・変圧器

電子回路
電子回路は難易度自体は難しくないものの、
幅広く出題される印象です。
アナログ電子回路、ディジタル電子回路の両方から出題されます。

半導体物性、素子は頻出です。
FETとトランジスタの違いや半導体レーザーに関する問題も出題されています。
また、真性、p型、n型半導体の違いやpn接合に関する説明なども出題されました。

ダイオードに関しては、
整流回路に関して押さえておくといいでしょう。
半波、全波整流回路の違いについて理解しておいてください。
倍電圧整流回路などの特殊な知識は必要ありません。
また、昇圧チョッパや降圧チョッパの出力特性などを踏まえた説明もできるといいでしょう。
「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」には整流回路についての問題はありますが、
チョッパ回路関係は記載されていません。全く知らないような方は本番で出たらあきらめてもいいでしょう。
私はパワーエレクトロニクスを学んでいたので、この範囲に関しては全く問題ありませんでした。

増幅回路、演算増幅器に関しては過去にあまり出題されていません。H22に負帰還増幅回路の説明をしなさいといった問題がありました。
この章では、エミッタ増幅回路やトランジスタの等価回路、ナレータ・ノレータを利用して等価回路を考えて出力特性を考えるといった問題が大学の定期テストや院試では頻出です。
これらは難易度も高いためあまり出題されないのでしょう。
そのため今後出題されるとするならば、あまり複雑ではないレベルになることは間違いありません。
「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」にも易しい問題が数問載っているので、これで概要をつかんでおけばいいでしょう。

論理回路についての出題も少ないようです。
過去にはH27にRS-FFの説明を回路図とともにしなさいといったものがありました。
この章は真理値表やド・モルガンの定理、論理ゲートが理解できていて、フリップフロップの動作が理解できていれば満点が狙えるでしょう。
状態遷移図、カルノー図からの状態遷移方程式、入力、出力方程式からの回路図をかくといったような問題は院試や大学の定期テストでは好かれる傾向にありますが、
公務員試験ではこのような問題よりは、基本的なことを説明する能力があるかの方が重要なようです。

対策しておくといい範囲は以下のようになっています。
・半導体物性、素子
・ダイオード
・増幅回路
・演算増幅器
・論理回路

情報・通信
用語の説明が出題されます。
ex) クラウドコンピューティングについて説明せよ

上記のように用語を3~4つ説明しなくてはなりません。

私は通信・情報分野が苦手であったため本番でも過去問でも解くことはありませんでしたが、
基本的な語句も出題される場合もあるため、全く勉強しなくても1問くらいは解ける問題があります。

まとめ

難易度自体はさほど難しくはありません。
数学、電気磁気、電気機器は必ず出題されるので十分に対策をしておくようにしましょう。
過去問を解いて、説明の練習をするといいかもしれません。
また、過去問のみでは勉強としては足りないので、「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」を用いてその分野の概要を抑えておくようにしましょう。

電検の問題集を解いておくといいといったことをいう方もいますが、
私は学習範囲に無駄が生じてしまうのでおすすめはしません。
「技術系スーパー過去問ゼミ電気・電子・情報」のみで合格安全ラインは十分に狙えます。











参考文献
[1] 東京都, “平成27年度東京都職員I類B[一般方式]採用試験案内,” [Online].Available: http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/saiyou2016/annai/1b/1b_27annai.pdf

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